こんにちは、おつな( @by0027 )です。
先日、福祉・介護業界で話題になっている 中林正太さん についてこんな記事を書きました。
中林正太さんってどんな人?介護や福祉のインフルエンサーってほんと?何をやってる人なの?そして中林さんにコンタクトをとり、中林さんのビジョンを聞いたとき、これは「これからの福祉・介護の在り方、地域活性のモデルになる」と確信しました。
想定読者:こんな方におすすめです
- これからの福祉・介護業界について考えている方
- 地域活性のやり方を模索している方
- 感動のストーリーを現在進行系で見たいと思っている方
社会起業家・中林正太
中林 正太( @S_Nakabayashi )
まず、中林さんのことを知らない方に向けて一言で紹介します。
中林正太(なかばやし しょうた)さんとは、佐賀県嬉野市で福祉・介護施設やカフェを経営する社会実業家 です。次にご本人からの自己紹介ツイートを掲載します。
本人からの自己紹介
自己紹介
・生まれつき心臓病
・小学2年手術
・奇跡的に普通の生活
・中学ぐれる
・高校ギターとバイト
・ドックトレーナー目指す
・地獄の様な訓練所
・21歳介護に出会う
・イベント主催しまくる
・25歳起業
・同時に結婚
・デイサービス開業
・カフェ開業
・子供3人
・現在33歳
・小多機開業準備中— 中林 正太 〜誰もが活躍できる仕組みを〜 (@S_Nakabayashi) July 19, 2020
中林さんが現在、手掛けている主な業種と事業は次のとおり。
主な業種
- 福祉・介護業
- 食品製造業
- 味噌製造
- ピクルス製造
- 飲食業
- 小売業(オンラインショップ)
主な事業
これだけ見ると「いろいろ手広くやってるんだな〜。」とバラけた印象になってしまうので、すこしだけ整理をしてみました。まずは業種と事業別の全体構造をみてみましょう。
全体構造:業種×事業
このように、業種をまたいで事業展開されています。
それでは次に事業所別にその中身をみてみましょう。
デイサービス宅老所 芽吹き
福祉・介護事業:デイサービス
佐賀県嬉野市にあるデイサービス宅老所『芽吹き』。
介護保険の指定を受けているため、原則として要介護認定を受けた、「要支援」「要介護」の方を対象にサービスを提供しています。
施設には管理者を中心に、生活相談員・看護師・介護福祉士と十分な人数の介護スタッフがそろっています。
食品製造業:味噌の製造
そして面白いことに『芽吹き』では、味噌製造の営業許可を取り、味噌の製造を行っています。
スタッフと利用者が一体となり、長年の知恵や経験をふんだんに注いだ味噌をつくっています。その名も「500歳の手作り味噌」。
普段は体を動かすために「体操をしましょう」と声をかけても断固拒否をする利用者も、味噌つくりとなるとこれでもかという程、体を動かすこともあるそうです。
利用者にとって、味噌つくりが生きる楽しみの一つとなっているのです。
また、商品化された味噌は「デイサービス宅老所 芽吹き」として地域のイベントに出店し、そこで利用者は売り子として活躍をされます。
利用者が製造者となり、売り子となり、活躍をする
「芽吹きの利用者」が、味噌の製造者となり、売り子となるのです。
支えられるだけという高齢者のイメージを払しょくするため、利用者自身に「役割」を与え、そこで「活躍できる機会と場」を用意しています。
これが中林さんの目指す、【 誰もが活躍できる仕組み 】のひとつです。
愛情がふんだんに詰まっています
芽吹きで製造している
【500歳の手作りみそ】以前ご購入頂いた方から「とても美味しかったからまた買いたい」とのお問い合わせが。
芽吹きのみそは一年熟成させております。
製造開始して2年の月日が経ち、ようやく今年の秋からは生産量も増える予定。愛情たっぷり手作りみそ如何でしょうか? pic.twitter.com/doh4SE4VLs
— 中林 正太 〜誰もが活躍できる仕組みを〜 (@S_Nakabayashi) July 26, 2019
今日は佐賀県庁地下「SAGACHIKA」で開催されたトークライブ内にて『500歳の手作り味噌』販売。
どのくらい売れるか分からなかったので、多めに持って行って正解。
30個近く売れました。ばぁちゃんが味噌を袋に入れて、子供がお金の受け渡し。
芽吹き流の
【誰もが活躍できる仕組み】
— 中林 正太 〜誰もが活躍できる仕組みを〜 (@S_Nakabayashi) September 19, 2019
芽吹き開所のお話しや味噌プロジェクトがはじまるまでの経緯については、中林さんご自身がnoteにまとめられているのでよろしければこちらもどうぞ。
≫ 【介護から社会を変える私の挑戦】~誰もが活躍できる仕組みを~ – 中林正太|note
生涯現役の家 ねっこ
『生涯現役の家 ねっこ』は、高齢者の生きがいづくりの場です。
お仕事を現役引退されたあとも「誰かの役に立ちたい」「生きがい・やりがいを感じたい」という想いをもった高齢者が集まり、活躍できる場を提供しています。
元気な高齢者が社会で活躍できる場所
食品製造業:ピクルス・お惣菜の製造
そんな元気な高齢者の活躍の場である『ねっこ』が主にやっていることは、ピクルス・お惣菜の製造です。
ピクルスの種類は、長芋 / ヤングコーン / ミニトマト&レモン / うずらの卵 / キュウリ&にんじん / 玉ねぎと。次々と新しい種類のピクルスを製造されています。他にもお惣菜をつくることもあります。
『ねっこ』で製造されたこのピクルスやお惣菜は、地域のイベントに出展・販売したり、オンラインショップ『omoiya』にて全国展開されています。
中林さんのねっこに対する想いのツイート
今日からスタートした、生涯現役の家ねっこ。
元気な高齢者はもっともっと社会に出て貢献するべき。
それをサポートするのが僕らの仕事。— 中林 正太 〜誰もが活躍できる仕組みを〜 (@S_Nakabayashi) July 25, 2018
75歳以上の元気なじぃちゃん、ばぁちゃんが働く居場所『生涯現役の家 ねっこ』
現役を引退しても、誰かの役に立ち社会と繋がり続けたい。との想いで来て頂いています。
そんなじぃちゃんばぁちゃんと作るピクルス『ねっこのピクルス』販売まであともう一歩。是非とも応援、よろしくお願い致します。 pic.twitter.com/F2ZGCUy97P
— 中林 正太 〜誰もが活躍できる仕組みを〜 (@S_Nakabayashi) March 11, 2020
ねっこは「高齢者の生きがいとなるの場をつくりたい」そんな中林さんの想いから生まれました。ちょうど今から2年前になるのですね。
想いを現実化するため、実際に行動に移し、このように目に見える形にまでつくられた中林さんの姿は、とても胸を打つものがあります。
分校カフェ haruhi
『分校カフェ haruhi』は、佐賀県嬉野市にある地域の人々が集うカフェ。
名前に「分校」と付いている理由は、元々ここは明治時代に創業された「吉田小学校春日」の “分校” として使用されていた建物のため。しかし少子高齢化という社会情勢の変化により廃校に。公民館的な役割として月に一度使われる程度の施設となっていました。
それを見かねた地域の方々からは、
春日分校はもったいない・・・・
そんな声が幾度となく上がるようになっていました。
その声を聞き、また自身でも強く感じていたことから、中林さんはこの場所を残し、次に繋ぐためカフェとして活用することを決意しました。
分校カフェ haruhiの店内風景
店内は分校時代を彷彿させるアイテムで飾られ、息を吹き返したようにおしゃれなカフェへと変貌を遂げました。
地域の人々が集まり、愛される場所に
今日haruhiについて車から降りると、店内から笑い声が。
地域のおばちゃん(むかし美人の会)たちがご飯食べに来てくれていた。
普段月に一回集まりをharuhiでやっているけど、コロナの影響で休止中。
それが寂しいとのこと。地元の人に愛されるお店にしたい。
開業当初の想いが今叶っています。
— 中林 正太 〜誰もが活躍できる仕組みを〜 (@S_Nakabayashi) April 16, 2020
筋トレ日和 pic.twitter.com/1cbqrwyeTQ
— 分校カフェ haruhi 〜みんなの想い出の場所〜 (@cafe_haruhi) February 23, 2020
なにもなく、雑草だけでなく竹までも生えていた場所をカフェへと変身させ、またイベントを開催し地域に還元することで、自然と人が集まり、笑顔があふれる、そんなコミュニティの場として機能しています。
春日分校が廃校になり、『分校カフェ haruhi』ができるまでの軌跡については、中林さんご本人のnoteに詳しく書かれていますので、よろしければこちらもどうぞ。
≫ 廃校になった分校をCafeにした話~ – 中林正太|note
おもい、ぬくもる omoiya
『omoiya』では、先に挙げた「500歳の手作り味噌」「ねっこのピクルス」「haruhiのスコーン」などを取り扱い、全国へ販売するオンラインショップです。
「omoiya」の名前には、人に寄り添い、人をおもう気持ちが込められています。
- 長い人生を歩んできた、おばあちゃんのおもい
- 子どもたちを優しくそばで見守る、お母さんのおもい
それぞれの大切な「おもい」をひとつひとつ丁寧に集め、届けています。
送る人・届ける人・選ぶ人、いろんな人の「おもい」
今できることの一つは、少しでもお金を使うこと。かといって、何にでも、かんにでも使うことはできない。
なので、せめて未来に残していきたいモノやコトを自分の頭で考えて、それに対するささやかな貢献のつもりでお金を使う。
今日、とても温かい想いのこもった商品が届いた。#omoiya pic.twitter.com/z069FXctot— 西からMAMBOW∈(°θ° )∋ (@mammam20181) April 21, 2020
#omoiya のスコーンや味噌を母の日にプレゼントしました🎁(投稿するの忘れていた🙀)
段ボールに一言。
こういう優しさがホッコリするの😌旅の時に #omoiya の人に出会ったんだけど、やっぱり出会いって好き😻 pic.twitter.com/qKfzSRozX3
— 妻よしみん/とおるんよしみん🙋♀️VANtuber🚚【現在地:山梨県】 (@everyday_fes) June 8, 2020
取り扱う品物をはじめ、送る人・選ぶ人・届ける人と、いろんな「おもい」がここにあります。そして関わる全ての人たちがやさしい気持ちになる、そんなぬくもりを感じるお店となっています。
おわりに
中林さんは、本人や会社の利益をメインに活動している訳ではなく、芽吹きの利用者や地域の人々、思い出の場所を残すことに焦点をあて、事業展開されています。
主体が自身ではなく、身のまわりにいるひとや地域となっており、その人たちが活躍できる場・仕組みを用意している。中林さんからあふれる底知れぬやさしさは、まわりにいる方々のしあわせを叶えるために行動されているところなのだと感じました。
そのように活動されているからこそ、中林さんのまわりには多くの人が集まり、愛される存在になっているのだと思います。
今回取り上げたのは、現在すでに見える形として世にでている事業ですが、次回は現在進行形で準備されている『小規模多機能型居宅介護 さとみち』を中心に紹介していければと思います。
中林正太VISION vol.1 おしまい。