【体験記】トルコリラショックを受けて、損切りをするまでの気持ち【2018年】

こんにちは、個人投資家歴5年目・おつな( @by0027 )です。

私はこれまで長期投資としてトルコリラと南アフリカランドを長いこと保有していました。ですが先週(8/10)発生したトルコリラショックで大きな損切りしたので、今の気持ちを忘れないように記録を残そうと思います。

もしこれを読んでくださっている方の何かのきっかけ、反面教師になれたらいいなぁと思います。

 

トルコリラと南アフリカランドを購入した理由

 

長期投資としてトルコリラと南アフリカランドを購入したのは今から2年ほど前。この2つの通貨を選んだ理由は、ただ純粋に「高金利通貨だから」。それに加えてトルコは「すきな国」だったので応援の意味もこめて購入していました。

 

この高金利狙いの長期投資をはじめた当初は、「すこしずつポジションを増やして、いつかはインカムゲイン生活を。」という思いで購入していましたが、ある程度時間がたち、保有枚数が増えてくると望んでいたようにスワップ金利が貯まってきます。

そして、この時期は為替の変動もあまりなかったことから、「何もしなくてもお金が増える」という体験を経験していました。まさに、夢のような感覚です。

 

そんな状況から「高金利通貨を買い増ししていけば、お金が増えるぞ!」と、次第に、気は大きくなっていました。購入したタイミングがよかったのか、それとも「先を見通す力が弱いのか」、ひどい時1ヶ月に1万枚通貨(南アは10万通貨)ずつ購入していた時もありました。

 

FX口座に入れている金額にもよりますが、当初の入金額を思うと「かなり購入しすぎ」な状態でした・・・

 

6月の一時的なトルコリラの下落を経験

 

ところが2018年6月。トルコリラをはじめとする新興国通貨は一気に不穏な空気に包まれました。

トルコリラが一時的に10%近く(約2円ほど)下落しました。

 

その時の気持ちとしては、

  • 2年前と比べて、既に半値になっているからこれ以上急速に下がることはないだろう
  • 少しの下げなら金利がカバーしてくれる
  • 証拠金維持率が危なくなったら、他から資金を追加すればいい
  • そもそも長期投資なので定年になるまで売るつもりはない

という、「根拠のない理由」を用意し、保有枚数を変えずにいました。

 

不安に思うところもありましたが、この時の下落はすぐに値を戻したこともあり、ポジションを減らすことも、長期投資のスタンスを見直すこともありませんでした。

 

アメリカとの関係が急速に悪化

 

トルコリラ下落から2ヶ月後となる8月。為替相場は比較的落ち着いていました。

この頃のトルコを取り巻く市況はというと、主に次のようなものでした。

  • エルドアン大統領が再選(6月)
  • 財務相に娘婿を指名
  • アメリカと対立しているイランに急接近
  • 中央銀行の独立性

 

トルコは6月の選挙でエルドアン大統領の再選が決まり、これまで以上に大統領の独裁色が強くなっていました。

どことなく不安を感じるものの、通貨・トルコリラの変動はそこまで大きいものではなかったのでこのときも保有数は変えず、とくに何も行動を起こしてはいませんでした。

 

そんな中、1日でトルコリラが20%も下落するという歴史的なトルコリラショックが起こりました。

 

リラの急落をリアルタイムで見ていた

 

トルコリラショックが発生したのは金曜日の15時ごろということもあり、私は仕事中でした。そのため、具体的には何が起こっているのか分からない。だけどものすごく最悪な事態になっているんだ。ということだけは理解していました。

 

トルコリラショックの主な原因は、

  • ブラソン牧師の軟禁問題でアメリカとの関係急速悪化
  • アメリカからの追加関税措置
  • エルドアン大統領がリラ安について演説するも、「具体的な施策なし」

と言われております。

 

仕事が終わり、その日はトルコリラ急落にショックを受け、まっすぐに帰宅。この日の夜は、ニュース、タイムライン、何を見てもトルコリラの話題で持ちきりでした。

  • アメリカとトルコは貿易戦争を始める
  • トルコにお金を貸しているスペイン、イタリア、そしてドイツ銀行も危なくなる
  • ユーロも危機になると、全世界金融危機の可能性も
  • 銀行がトルコリラの取り扱いを停止する可能性がある
  • アイスランドクローネのようになるのではないか
  • 今回のトルコリラ下落は日本の個人投資家のロスカットを大きく巻き込んだ

ニュースには、このような不穏ことも多く噂されていました。

私は余剰資金を追加し、ロスカットこそされませんでしたが、ぎりぎりのところ。証拠金は、まばたきをしている間に数万・数十万円と、損失が膨らんでいく。そんな様子をリアルタイムでただただ、見ていました。

これまでの夢のような世界から反転し、奈落へ落ちていく感覚でした。

精神的にめちゃくちゃダメージを受け、なのに何もできない。「どうしよう。どうしよう・・・」とは思うものの、損切りをする勇気すらなく、朝を迎えました。相場をこんなにも怖く感じたのは初めてでした。

 

不安な気持ちを持ったまま、朝をむかえる

 

土曜日の朝6時。1週間の相場が終わりました。相場が動かない土曜日の安心感はすごい。こんなにも土曜日を待ち遠しいだなんて・・・

ただ、相場が動いていないとは言っても、資金が減っていく恐怖は一時的になくなってはいるものの、根本的な問題は解決されていません。トルコとアメリカの関係は何も変わっていない。だからこそ、相場が開く月曜日はどうするかをこの土日に考えなければいけません。

 

ニュースを見てもまったく良い話題がでてきません。

FX口座の資金と銀行に預けている現金を見直しても、残りの資金で、あとどのくらいリラが下落しても耐えられるか?トルコリラにつられて新興国通貨は下がる可能性はないか?もしEUまで影響が及び、金融危機が現実に起こったらどうなるか?そんなことを考え、不安はいつまでも続きます。

考えれば考えるほど、逃げ出したくなる気持ちが増してきます。

 

冷静になり、ポジションを見直して見る

 

なぜこんなにも今、つらい思いをしているんだろう?そう思い自分のポジションを見てみると、トルコリラを15万通貨保有していました。

これはどのようなことかと言うと、トルコリラが1円下がるごとに資金は15万円減ってしまうということ。もし金曜日のペースを保ったまま月曜日の朝を迎えると、すでにぎりぎりの資金はロスカットされてしまいます。

 

そこでようやく、「自分がコントロールできる以上のポジションを持っていたんだ。」という事実に気がつきました。

もし、リスク管理を徹底した枚数だったのなら、数円の変動にこんなにもびくびくすることはなかったのかもしれない。金融危機が起きたとしても、保有し続けることもできたかもしれない。そんな後悔が、ようやく生まれました。

 

自分の失敗を認めることはすごくつらいし、長期保有で定年まで持つと決めていた通貨をマイナスで手放すということはものすごく悲しい。だけど、自分の投資人生をこの先も続けるなら、今は手放さなければいけないということがようやく分かりました。

 

そして月曜日の朝、相場がスタートしたとともにトルコリラを全決済。

結果的には1番底の15.5円というほぼ最安値で損切りし、「もう少し待っていればよかったな〜。」とは思うところもあるけど、無事に損切りができてよかったな、と思っています。

もうあんなに恐怖な体験はしたくない。だから資金管理・リスク管理を徹底したいと強く思いました。

 

金融市場は、ほんとうに怖い。素人が気軽に参入するものではない。これまで調子がよかったのはただの運。ビギナーズラックでしかない。そんな事実にただただ唖然としたので、気持ちを入れ替えて、また投資修行に励みます。

 

石の上にも3年。けどこれは、一生修行が必要な気がする・・・

 

おしまい。

 

 

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