日本の景気を知りたい人
「今の日本って景気がいいの?肌感覚ではなくてデータで見る方法ってないのかな?あるならどんな種類があるんだろう?」
そんな疑問にお応えします。
今回は景気の方向感や、現状・未来を予測するときに用いられる「景気動向指数」について紹介します。
景気の方向感を調べるなら「景気動向指数」
景気の方向感を調べるには、内閣府が出している「景気動向指数」を見ることでおおよその傾向をはかることができます。この景気動向指数は全部で28項目あり、産業・金融・労働など、さまざまな角度からその特定分野の景気動向を見ることが可能です。
景気動向指数の「どの経済状況を見るか」を使い分けることで、過去・現在・未来の方向感を予測することができます。とは言っても、時間軸が未来へ行くほど予測は難しくなります。そのため「これだけが全てではない」ということは頭の片隅に入れておいてくださいね。
- 先行指数:景気よりも先行して動く
- 一致指数:景気と一致して動く
- 遅行指数:景気より遅れて動く
景気動向指数は上記のように、景気より先行して動く「先行指数」、景気と一致(連動)して動く「一致指数」、景気より遅れて動く「遅行指数」の3種類があります。
次に、それぞれの特長別・景気動向指数をまとめました。
先行指数:未来を予測する際に使用
- 最終需要財在庫率指数
- 鉱工業用生産
- 新規求人数
- 実質機械受注
- 新設住宅着工床面積
- 消費者態度指数
- 日経商品指数
- マネーストック
- 東証株価指数(TOPIX)
- 投資環境指数(製造業)
- 中小企業売上見通しDI
一致指数:現状を把握するために使用
- 生産指数(鉱工業)
- 鉱工業用生産財出荷指数
- 耐久消費財出荷指数
- 所定外労働時間数
- 投資財出荷指数
- 商業販売額(小売業)
- 商業販売額(卸売業)
- 営業利益(全産業)
- 有効求人倍率
遅行指数:過去を振り返るために使用
- 第3次産業活動指数
- 常用雇用指数
- 実質法人企業設備投資
- 家計消費支出
- 法人税収入
- 完全失業率
- 消費者物価指数
- 最終財在庫指数
ポイント:まずは1つを定点観測する
先行指数、一致指数、遅行指数とたくさんの景気動向指数を書きましたが、投資をする上でこれらすべてを把握しないといけないかというと、そうではありません。
もちろんすべてを見れば全体を俯瞰することができるので、より正確に景気の動向を把握することができます。ですがそれでは時間がかかり現実的ではありません。
私たち投資家が景気をはかる、または未来を予測する際のポイントとしては、重要度の高いものや自分が気になっているもの、またはわかりやすいものを「毎回この指数だけは必ず見る」と、「定点観測」をしていくのがおすすめです。
毎月発表される指標のどれかを1つでも見続けるということが大切になります。
おしまい。